大人と子供
民法が改正され、成人年齢が18歳に引き下げられた。この年齢になれば親の同意なしに結婚できる。ならば、18歳同士でも不倫だって・・・・・。多くの大人が眉をひそめそうな設定のドラマが、日本テレビの連続ドラマ「3年C組は不倫しています」。
主演の上村蒼(うえむらあおい)役を務めるのが、俳優でモデルの莉子。
いやむしろ「りこりこ」というニックネームの女の子、という方がわかりやすいかもしれない。この“名前”で長くZ世代の熱い支持を集め続ける。
背伸び
莉子は21世紀ほやほやの2002年に生まれた。「Z世代の・・・」という形容詞を大人は付けがちだ。ファッション誌「ZIPPER」モデルを経て、2018年から2021年まで雑誌「Popteen」モデルに。専属モデルになってわずか5か月後に表紙を飾る。同世代女子の支持は厚かった。
「専属(モデル)になってから、かわいくなりたいと思うようになりました。(具体的には)インスタで話題のコスメもすぐに試すようになった(など)メイクに興味をもつようになった(とか)季節を先取りして新しいものをとチェックする(とか)」
「プラス思考なので、悔しいと思ったらもっと上に行ってやる・・・と思えるタイプ。だから、大変なことや悔しいことがある方が頑張れます。逆に誰にも見られていないと自分に甘くなる」
誰しも多少は経験するけれど、思春期から大人にかけて何かと「背伸び」をしがちだ。これは決して悪いことばかりではない。なぜなら、背伸びを繰り返すうちに実際に背がのびる経験も少なくないからだ。莉子は月刊誌の人気モデルとして、SNSのインフルエンサーとして背伸びを繰り返し、本当に背を伸ばしてきた。
Tiktokの動画投稿を始めたのは、中学3年生だった2017年秋のこと。
最初はマネージャーのすすめだった。「これから流行るかも」と。はじめの数か月間試行錯誤を繰り返したのち、本人いわく「いい波乗った(笑)」。インスタグラムなど他のSNSでもフォロワーが急増。推しも推されぬティーンたちの「推し」となる。
自分を信じる
そして今度は、SNS総フォロワー数250万人のインフルエンサーから俳優業にチャレンジ。
「最初はあまりやりたいと思わなくて・・・(しかし)映画『小説の神様 君としか描けない物語』(で)橋本環奈とご一緒させていただいて、私はお芝居が全然できなかった。それがめちゃくちゃ悔しくて、やる気につながりました」
「(オーディションまでは)不安で自身も全く無かったんです。が、(久保茂昭)監督が『(役の)世界観と合っている気がする』とおっしゃってくださって・・・。それまでずっと『自分はダメだ、ダメだ』と思い込んじゃっていたんですけど、監督の言葉で自信がついた」
「この映画があったから演技の魅力に気づけました」
莉子は断言する
「自分に自信を持てる、得意なことを見つけて着々と進んでいけば、いつか大きな夢に辿り着けるんじゃないかな」
ふたたび背伸び!?
再び主演ドラマ「3年C組は不倫しています」の話題に。既婚者との婚外恋愛、・・・ストーリーには親同士の道ならぬ恋も加わる。
矛盾に次ぐ矛盾、不条理に次ぐ不条理。一見悲劇だが、視聴者はドラマに喜劇さえ見い出せよう。
葛藤を抱える困難な役柄だ。
俳優莉子はどう役柄と向き合うのだろうか?
莉子は憧れの俳優に同じくティーン誌モデル出身の永野芽郁を挙げる。
「永野さんは普段明るいのにちゃんとその役を演じられている」
莉子はふたたび背伸びするのだろうか?
ーーーーーあどけなさに垣間見える大人という等身大に・・・。